令和4年4月1日より、建築物等の解体・改修工事を行う施工業者は、大気汚染防止法に基づき、該当工事における石綿含有建材の有無の事前調査結果を都道府県へ報告することが義務付けられました。また、令和5年10月1日からは、解体工事を行う際に有資格者による事前調査が義務付けられます。解体工事を行う際、建物にアスベストの含有があると費用が高額になる可能性があります。また、アスベストは飛散性によって3段階のレベルに分かれており、レベルによって費用も変わってきます。
この記事では、アスベストの種類やレベル別の特徴についてわかりやすく解説していきます。
Contents
アスベストの種類
アスベストは、大きく蛇紋石族と角閃石族に分けることができ、蛇紋石族は、クリソタイル(色石綿)、角閃石族は、クラシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、アンソフィライト石綿、トレモライト石綿、アクチノライト石綿に更に分類することが出来ます。
クリソタイル(白石綿)
クリソタイルは、蛇紋石族に属しており、蛇紋岩を構成する主要鉱物の1つです。
主にカナダで生産され、髪の毛のようなしなやかな繊維質で、中空のパイプ状と言われています。
また、このクリソタイルは世界中の90%以上の石綿製品で使用されてきました。
クラシドライト(青石綿)
クラシドライトは、アスベストの中でも最も毒性が強いとされ、国際労働機関が1986年に
原則使用禁止を命じました。日本では1995年から、使用・製造ともに禁止されています。
クロシドライトの発がん性は、クリソタイル(白石綿)の500倍、アモサイト(茶石綿)の100倍とも言われています。
アモサイト(茶石綿)
発がん性が強く、日本では1995年から製造・輸入、使用等が禁止されています。
主に、吹付材や、煙突の断熱材、配管の保温材等にしようされていました。
アンソフィライト石綿
熊本県旧松橋町に鉱山があり、採掘されていました。他の石綿や、タルクなどが不純物として含まれてることが特徴です。
2004年以降は生産・使用が禁止されています。
トレモライト石綿
他の石綿や、タルクなどが不純物として含まれており、吹付け石綿の一部に使用されていました。
日本ではあまり出回っておらず、2004年以降は生産・使用が禁止されています。
アクチノライト石綿
トレモライト等と同類で、石綿やタルクなどが不純物として含まれています。こちらも2004年以降は生産・使用が禁止となりました。
アスベストのレベルについて
アスベストには、発じん性を基準とした3段階のレベルがあります。
レベルは1~3段階に分かれており、レベル1が最も発じん性が高く危険とされています。
発じん性とは、粉じんの発生率又は、飛散率のことを指します。
発じん性の高いものほど工事の際に飛散しやすい為、近隣住民への影響も及ぼしやすくなります。
そのため、飛散しないよう十分な飛散防止対策をして解体作業を行わなければならないのです。
ここからは、アスベストのレベル別の特徴について解説をしていきます。
レベル1の特徴
最も発じん性が高いのがレベル1です。
レベル1のアスベストを含む建物をそのまま解体してしまうと、大量のアスベストが周囲に飛散する可能性があります。
周囲に飛散させないためにも建物の周りをシートで十分に囲い、まずはアスベストの除去作業を行わなければなりません。
レベル1のアスベストが使用されている代表的な箇所として、耐火建築物の柱や梁、立体駐車場や体育館の天井や壁、エレベーター周り等です。
これらの場所では主に「石綿含有吹付け材」が使用されています。
これはアスベストとセメントを一定割合で水を加えて混合したもので、建築物に吹付けることで、綿のような状態で固まります。
この吹付け材を除去する際、大量の粉塵が飛散する為、厳重なばく露対策が必要です。
レベル2の特徴
レベル2は、アスベストが建材の中に「練りこまれた」ものに近いので、レベル1ほどの初じん性はありません。
レベル2の建材は密度が低く軽い物が多いため、崩れると大量に飛散する危険があります。
レベル2のアスベストが使用されている代表的な箇所は、ボイラー本体や配管、建築物の柱や梁の耐火被覆材、煙突用断熱材等です。
これらの場所では主に、「石綿含有保温材」、「耐火被覆材」、「断熱材」が使用されています。
これは、シート状のもので、使用箇所に巻き付けて利用されていることが多いです。
発じん性はレベル1と比べ低いですが、レベル1と同様の飛散防止対策をしたうえで除去作業を行わなければなりません。
レベル3の特徴
レベル3の建材は固い板状のものが多く、割れにくいという特徴がある為、レベル1・2と比べると発じん性が低いです。
そのため、日常で使用する分には飛散する可能性はほとんどありませんが、やはり解体時には注意が必要となります。
レベル3のアスベストが使用されている代表的な箇所は、一般住宅などの屋根材や外壁材、天井・壁・床などの内装材等です。
これらの場所では主に、「スレート」や「ビニル床タイル」が使用されています。
発じん性は低いですが、建材の形状やアスベストの密度によってリスクが高い場合もあります。
レベル1、2のような厳重な飛散防止対策は必要ありませんが、慎重に作業を行わなければなりません。
まとめ
ここまで、アスベストの種類、レベルごとの特徴について解説してきました。
たとえレベルが低くても人体に有害な物質であることには変わりない為、慎重な作業が必要です。
また、レベルが高いほど危険性も高くなるため、除去費用も高額になります。
アスベスト調査・除去については補助金を利用することも可能です。
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また、アスベストの除去工事を行う際に必要となる負圧集塵機や、グラインダー等を複数所有している為、
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