社長日記 豆知識

【アスベスト】事前調査とは

建物を解体する際などに、解体業者から“アスベスト”という言葉を耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。解体する建物にアスベストが含まれているかいないかで、解体の施工方法や解体時に必要な届出が大きく変わってきます。

この記事では、アスベストの含有の有無を調べるための事前調査について解説していきます。

事前調査とは?

事前調査とは、建物の解体・リーフォーム等の工事前に建築物に使用されている建材に石綿が含有しているかを確認することです。事前調査は、建築物の規模に関わらず全ての解体工事が対象となります。令和4年4月1日からは事前調査の結果を報告することが義務付けられました。また、令和5年10月1日からは有資格者による事前調査の実施が義務付けられます。

”書面調査”と”目視調査”

事前調査は大きく分けて、“書面調査”と“目視調査”の2種類があります。書面調査のみで調査を終了するのではなく、石綿の使用状況を網羅的に把握するためにも、原則現地での目視調査を行うことが大切です。書面・目視調査は下記の様な流れで行います。

①書面調査

・図面等調査(設計図・竣工図・改修図・対策工事記録 等)

・発注者ヒアリング(発注者や過去の経緯をよく知る施設管理者や工事業者等の関係者にヒアリングを行い、改修履歴や利用状況、調査上の留意点等を入手する)

・書面調査整理(建物概要・使用された建材/材料・施工部位・石綿建材と疑わしい部材等のリストアップ)

・データベース照合(データベース確認・メーカーHP確認)

・石綿含有の有無の仮判定(含有建材・無含有建材・不明建材)

②目視調査

・外観観察(基本情報・構造/仕上材・周辺建物)

・屋上/外構確認(仕上・防水処理・煙突・設備機器・配管ダクト類)

・内部レイアウト確認

(書面調査結果との照合・すぐに見える内装材・見えない壁天井裏隠蔽部)

・各部屋調査(過去の改修痕・壁穴区画/層間・設備機器)

・現物確認(製品の表示・各種資料の確認・メーカー証明)

・分析用試料採取(代表する検体・分析法に則した採取)

・分析

・石綿含有の有無の判定

・報告書作成

・調査報告(調査結果を発注者へ説明)

事前調査は誰が行うの?

事前調査は、元請業者あるいは、自主施工者が行います。しかし、大気汚染防止法の一部改正に伴い、令和5年10月1日以降に解体等作業を行う場合には、有資格者(※①)による事前調査が義務化されます。

※1・特定建築物石綿含有建材調査者

  ・一般建築物石綿含有建材調査者

  ・一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建ての住宅及び共同住宅の住戸の内部のみ)

  ・一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に令和5年9月30日までに登録されている者

 また、大気汚染防止法に基づくアスベスト調査結果の報告も対象の工事の元請業者または自主施工者  が行うことが義務付けられています。

事前調査結果の報告

事前調査を行ったらアスベスト含有の有無を、各都道府県へ方向することが義務付けられています。報告は原則、“石綿事前調査結果報告システム”から電子申請で行う必要があります。

※1 解体、改造又は補修の工事を同一の者が二社以上の契約に分割して請負う場合においては、これを一の契約で請負ったものとみなします。

※2 請負代金の合計額は、材料費も含めた作業全体の請負代金の額をいい、事前調査の費用は含みませんが、消費税を含みます。また、請負契約が発生していない場合でも、請負人に施工させた場合の適正な請負代金相当額で判断します。

まとめ

事前調査や事前調査の報告については業者が行う為、解体の依頼者側がやらなければならないことはありません。ですが書面調査の際に必要となる設計図や改修図、利用状況等を十分に共有することで正確かつ円滑な事前調査を行うことが出来ます。

弊社ではアスベストの事前調査や除去作業、解体工事をワンストップでお手伝いしております。

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このブログを書いた人
伊藤 秀雄 (有限会社タイシンテクノ)
岐阜県可児市、有限会社タイシンテクノの代表取締役。 リフォーム工事、解体工事全般を事業として行っており、石綿作業主任者の資格を持つ。石綿含有調査/除去作業を行っている。

有限会社タイシンテクノ