豆知識

アスベスト除去工法の種類

解体する建築物にアスベストの使用が確認された場合、通常の解体作業を行う前に、アスベストが使用されている箇所の除去作業を行わなければなりません。アスベストは人体に有害な影響をもたらすため、周囲に飛散しないよう特別な措置や作業が必要となります。

この記事では、アスベストの除去を行う際の代表的な工法を解説していきます。

アスベストとは

アスベスト(石綿)とは、天然に産する繊維状の鉱物の総称です。安価で手に入れることができ、加工しやすいだけでなく高い防音性や保温断熱性、絶縁などに優れていた為、「魔法の鉱物」とも呼ばれていました。自動車分野、化学設備分野、産業機械分野、鉄道・船などの輸送分野、建設分野など、多種多様な業種で様々な箇所で様々な用途に使用されてきました。その中でも、1955年(昭和30年)の高度経済成長期から1980年(昭和55年)ごろまでに建築物の建築材料として多く使われていました。

アスベストの危険性

様々な箇所・用途で使用されてきたアスベスト(石綿)ですが、次第に健康被害が問題視されるようになりました。

アスベストは目には見えない非常に細かな繊維でできているため、飛散しやすく一度吸い込んでしまうと分解されることなく体内に蓄積されていきます。蓄積された石綿は肺の組織にダメージを与え、“肺がん”や“石綿肺”、“悪性中皮腫”といった重大な疾患を引き起こすことに繋がります。また、これらの重大疾患は長い潜伏期間を経て発症するといわれています。肺がんであれば、20~30年以上もの潜伏機関を経えて発症します。 そのため、病気になって初めて自身がアスベストを吸い込んでいたことに気づくということも少なくありません。

アスベスト除去工法の種類

アスベストが使用されている建築物を解体・増改築する場合、“除去”、“封じ込め”、“囲い込み”のいずれかを行わなければなりません。

3つの工法の中でも、解体工事を行う際は“除去”しなければならないとされています。

“封じ込め”や“囲い込み”ではいけないので注意が必要です。

除去工法(リムーバル工法)

除去工法とは、アスベストが使用されている建材を外部へ飛散しないようにしながら全て除去し、アスベストを使用していない代わりの建材と入れ替える工法です。

この工法は専用の機材を用いて除去を行う為、他の工法と比較して費用が高額になります。

しかし、アスベストを完全に除去する為、解体工事を行う際は“除去工法”が必須となります。

封じ込め工法(エンカプスレーション工法)

封じ込め工法とは、アスベストが使用されている建材へ溶剤を吹付けてアスベストが飛散しないようにする工法です。除去作業と比べ溶剤を吹付けて固めるだけなので、短時間の作業となり、費用も比較的安くできます。

しかし、アスベストを完全に除去するわけではないため、作業後の定期的な点検が必要です。

また、建物を解体する際には“除去作業”を行わなければなりません。

囲い込み工法(カバーリング工法)

囲い込み工法とは、アスベストが使用されている建材の周囲を板材等のアスベストが使用されていない建材で完全に覆うことでアスベストの飛散を防ぐ工法です。

囲い込み工法も封じ込め工法と同様に、アスベストを完全に除去するわけではない為、作業後の定期的な点検が必要となります。また、解体工事の際には“除去作業”が必要となるため、トータル金額が高くなる可能性もあります。

まとめ

今回はアスベストを処理する際の代表的な3つの工法についてお伝えしました。工法にはそれぞれ、メリット/デメリットがあります。アスベストの発じん性によって対応できない工法もあるため、除去の目的や場所、予算などに応じて適切な処理工法を選ぶと良いでしょう。

弊社ではアスベストの除去工事を行う際に必要となる負圧集塵機や、グラインダー等を複数所有している為、スピード感を持った作業が可能です!また、石綿作業主任者技能講習を受けた専門の職人による建物の事前調査から除去作業、解体作業まですべて自社施工で行うため、低価格でのサービスをご提供いたします!

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このブログを書いた人
伊藤 秀雄 (有限会社タイシンテクノ)
岐阜県可児市、有限会社タイシンテクノの代表取締役。 リフォーム工事、解体工事全般を事業として行っており、石綿作業主任者の資格を持つ。石綿含有調査/除去作業を行っている。

有限会社タイシンテクノ