アスベストとは

アスベスト(石綿)とは、天然に産する繊維状の鉱物の総称です。高い防音性や保温断熱性、絶縁性などがあるため、「魔法の鉱物」とも言われていました。これらの特性から自動車分野、化学設備分野、産業機械分野、鉄道・船などの輸送分野、建設分野、ボイラーなどの民生用と多種多様な業種で様々な用途に使用されてきました。その中でも、1955年(昭和30年)の高度経済成長期から1980年(昭和55年)ごろまでに建築物の建築材料として多く使われていました。

アスベストの危険性

アスベストは非常に細かな繊維でできているため、大気中に浮遊しやすく、肉眼で見ることはできません。また、空気中に飛散したアスベストを体内へ吸い込むと、分解されることなく体内に蓄積されてしまいます。そして、10~40年の期間を経て、「肺がん」や「石綿肺」「悪性中皮腫」といった病気を発症させるのです。

アスベストが原因で発症するといわれる疾患

アスベストの法規制の歴史

アスベストを吸入することで、上記のような重大疾患に罹る危険性があることから、1975年の「特定化学物質障害予防規則」の改正によりアスベスト(石綿)含有率が5%を超える吹付作業が禁止されました。その後、1995年に規制対象がアスベスト(石綿)含有量1%を超える吹付作業の禁止へと変わり、2006年には「石綿障害予防法」などの改正により、アスベスト(石綿)含有量0.1%までを規制し、事実上アスベスト(石綿)製品の製造・使用などが禁止となりました。また、2022年からは解体工事の際、アスベスト含有建材の有無に関わらず、アスベストの調査結果を各都道府県に報告することが義務化されました。

アスベストが使用されている場所

耐火建築物などの鉄骨、はり、柱/ビルの機械室/ボイラー室の天井/体育館/講堂/温泉施設/工場/学校/建物の屋根/煙突/上下水道管/ダクト・配管のつなぎ部/外壁塗料 等

有限会社タイシンテクノ